大判例

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広島高等裁判所松江支部 昭和27年(う)77号 判決

原判決挙示の証拠中原判示第一、二の事実に関するものを精査検討するにこれにより右事実はいづれも優にこれを認めるに足る。抑も接吻はこれがなされる時の情況如何によりその猥褻行為としての違法性が阻却される場合が尠くないことは言を俟たないけれども本件において被告人が原判示第一の如き経緯、事情を以て藤原美千枝の意に反してその肩を抱き締め無理に同女の口に接吻したことは反社会性ある行為を以て目するに足り正に刑法第一七六条にいわゆる暴行を以て猥褻行為をなした場合に該当すること毫も疑を挿む余地がない。

次に軽犯罪法第一条第一五号にいわゆる官公職等を詐称する犯罪の構成要件として必ずしも明示の詐言あることを要せず言語の口調態度等を通して相手方を錯誤に陥らしめるに足る以上既に詐称行為ありたりということができる。又被告人において、原判示第一の如く藤原美千枝に対して情交を挑まんがため、故ら警察官を装つたとするも本来、官公職等を詐称する行為はその犯罪の性質上猥褻行為の手段として普通用いられるところでないから原審においてそれ等を別個の犯罪として処断したことはその認定まことに相当であるというべきである。

所論は独自の見解に立脚し徒に原審が適法に行つた認定と異る事実を主張し且原判決における適正な法令の適用を論難するものたるに止まり原判決にはその事実の認定若しくは法令の適用につき毫も所論に縷々主張するが如き誤謬はない論旨はいずれも採用し難い。

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